FAQ

取引先(得意先)の経費を立て替えた場合はどのように処理したらいいですか?

取引先の経費を立て替えた場合の2つの会計処理方法

取引先との契約、会計方針により、以下の二つの会計処理方法が考えられます。

1. BS科目(立替金)を使用して、損益を発生させない方法(原則的な方法)

2. 売上高及び売上原価に含めて計上する方法

1. BS科目(立替金)を使用して、損益を発生させない方法

立替金と認識しているということは、取引先に帰属する経費ですから、自社に損益を発生させない会計処理が原則的な処理方法となります。

ツバイソでは、取引先の経費の支払にかかる明細登録と、取引先に請求する明細登録によって処理します。

1.取引先の経費を支払った明細(購買管理、現金管理、旅費・経費精算管理)を「立替金の支払」として登録します。

2.取引先に請求する明細(販売管理)を「立替金の請求」として登録します。

例)当社の従業員Aが取引先Bの交通費を立て替えて支払い、実費合計額を取引先Bに請求した。


●社員Aの旅費・経費精算申請書
・20xx/12/1 原因[立替金の支払] 金額[300]円 摘要[取引先B 立替交通費 ] メモ[JR 新宿~原宿]
・20xx/12/5 原因[立替金の支払] 金額[300]円 摘要[取引先B 立替交通費 ] メモ[JR 新宿~原宿]
・20xx/12/30 原因[立替金の支払] 金額[920]円 摘要[取引先B 立替交通費 ] メモ[JR 新宿~八王子]

●販売管理-売上明細
・20xx/12/31 原因[立替金の請求] 金額[1,520]円 メモ[従業員A 12月交通費立替分]

<ポイント>
立替金は支払った時点で請求権が発生すると考えられますから、支出の明細と立替請求の明細は基本的に同じ月に計上します。

「立替金の支払」は決算書上「雑損失(立替金)」に、「立替金請求」は「雑収入(立替金)」として処理されます。
従って、月次推移表で同じ月に「雑損失(立替金)」と「雑収入(立替金)」に同額が計上されていることを確認することで、立て替えて実際に支払った金額=立替金として請求した金額となっていることが正確に管理できます。


※月次決算、年次決算等で決算整理を行った後には、一般的に相殺処理を行うため、「雑損失(立替金)」「雑収入(立替金)」は決算書上に表示されなくなります。


2. 売上高及び売上原価に含めて計上する方法

立て替えた費用は仕入高として処理し、取引先に対する売上高に含める簡便的な方法もあります。

例)サービス代100、立替金20の場合、売上高120、仕入高20となります。

この方法は実費精算の必要がありませんので、利益を上乗せして請求することもできます。
立替金の実費額を正確に管理しなくて良いメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

・売上高によっては、消費税の課税制度の選択ができなくなる場合がある

消費税の課税制度の選択は、課税売上高が、1千万円未満(免税OR課税の選択)、1千万円以上5千万円未満(本則OR簡易の選択)で行えます。
したがって、立替金を売上高に含めることで、上記の金額を上回ってしまう場合は、課税制度の選択が行えなくなってしまいます。

・本来の売上高が分かりにくくなる。
立替金が売上高に対して金額的に重要性がある場合は、これを売上高に含めると、本来の売上高が把握しにくくなります。

どちらの処理方法が良いかは、管理会計の観点から判断してください。

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